珍しくワックスを使って髪をセットし、買っておいた服を着て駅に向かった。早めに出たつもりだったが、オレ以外はもう全員いた。
「悪い、待った?」
「チョー待ったァ!」
真が応えた。
「真今来たばっかじゃん」
やっぱりな、と言って真の頭をはたいた。
「あたた…じゃ行きますかァ」
4人で改札に向かった。その途中、
「大木なんか感じ違うな〜」
と、吉川が話しかけてきた。一瞬ドキッとする。
「そうか?私服だからじゃね?」
「あと髪。普段からワックスつけてればいいのに」
「オレは校則は破らない人なんだよ」
「えっダメだっけ?」
突然真が割り込んできた。夏織が気を遣ってか真のシャツの裾を引っ張った。