半年程前のある日、その主を私は見た。一晩中眠れず寝返りばかりしていた夜明け前の暗闇の中で、横になった私を見下ろす様に立っていた。立っていたというよりロフトの手すりからぶら下がっていた。首にロープをかけた姿で。
体全体が暗闇より黒く、私に対して激しく憤っていた。声を聞いてすぐ、私にしか聞こえない声の主だと分かった。いつになったらお前は死ぬのか。今ここでいつ死ぬかはっきり言えと脅され、あまりの恐ろしさに、一週間後と約束した。その一週間後、主は私の前には現れなかった。私も忙しさに疲れ果てて忘れてしまっていた。