えーと頭を整理しよう。
俺は賞金かかってる。
紗耶は可愛くなってる。
彼女は俺の事が嫌いじゃない。
んで…酔ってる。
ウイスキーで泥酔してる。
「えーぁ、あのね…ん?なんの話?」
彼女はかなり泥酔してるようだ。
「いや、別に何も聞いてないよ?」
「ふーん。おやすみ。」
!!?
おやすみって!!
せめて家で寝ろよ!!!!
「ちょ…せめて家に帰ろうよ。」
?…静寂。
やけに周りがうるさく聞こえる。
なんか二次会の話をしてる。
俺が何歌いそうなのかを盛り上がって話してる。
あぁ?俺は郷ひろみ歌わんぞ!?
背後からは何も聞こえない…寝たのか?
振り返るとき彼女の俯せた姿勢に肘が当たった。
「ふは?え?…もしかして私寝てた?」
深く頷く俺。
「ほんの5分くらい。」
「何も言われなかった?」
「うん。まぁ。」
彼女は喧騒の方向へ向いて遠い目をしている。
「…皆と違って私思い出少ないから。」
と鼻で笑う。
そーいえば体悪いから、診療所に授業の途中に行ってたっけ。
お互い本ばっかり読んでたから、貸し借りもしたなぁ。
ケド、遠足(という呼び名だがやるのは釣り。)とかは彼女は来てなくて、話し相手がいなかった。
俺が回想にふけっていたまさにその時、またカランとドアが開いた。
もう来てる人は揃ってる。
一体誰が?
入って来たガタイのしっかりした奴はずぶ濡れだった。外は雨が降り出したらしい。
…やばげな奴が来た。
そう思った瞬間。
彼がやばげとかじゃなく間違いなく危ない奴だとわかった。
左手に銃器を携えている。
なんと言う銃かはわからないが、黒光りした重量感のある取っ手がついた長い筒。
一気に静かになった。
誰かが何かを言うのを皆で待っている。
「警察を呼ぶわよ」
と言った途端銃が爆発した。さっき誰が発言したのかはわからないが、そいつが跡形も無く消し飛んだ。
血は何処にも着いていない。
…その空間から無くなった。
俺も皆も理解不能で、その男が何者なのか。
誰もがわからなかった。