人類が宇宙に進出してから早くも二千年がたった。
それに伴い異星人との戦争が幾度となく、繰り返された。
今は休戦でつかの間の平穏を人々は味わっていた。
「それにしても暇ですねー」
「そんなに隙だらけだと異星人に撃ち落とされるぞ」
宇宙空間で特殊戦闘機ガルウィングのパイロットの 佐々木由伸に
アーウェン・ローイング大尉が喝をいれていた。
「だって異星人とは休戦で襲ってこないのにこんな見回りするなんて、無駄じゃないですか」
「そろそろ母艦に戻るぞ」
「了解」
最近はこんなことばかりなので由伸は嫌気がさしていた。
母艦に着艦すると整備士の山さんが
「おう二人とも、戻ったか」
「暇で暇でしょうがなかったですよ」
「まあ平和が一番だ」
豪快に笑い声があがる。
そうこうしていると放送が入った。
「本艦はこれより月の軌道上まで発進します」
この声は通信士のナタリーか。
「久しぶりに月だな」
故郷の地球の風景が蘇る。
かれこれ3年は戻ってないな。
月からの地球の風景が楽しみになった。