「はぁ………」
あれからと言うもの、私は上の空。なにをするにも手につかない状態。いつも、旭川君の顔が脳裏にちらついている。
「なんであんなことするのよ…っ」
そんなことを繰り返し思いながらも、午前の授業は終わった。
そして昼休み…
「お昼食べよ〜!」
みんなはお弁当を取り出しながら、はしゃいでいる。
「ごめん…ちょっと先みんなで食べてて…私、ちょっと用事があって…」
「うん…!わかった!」
絶対、いつもと違う私に違和感を覚えただろう。だけど、親友の桃子たちは聞かないでくれていた。
「旭川君………」
目を閉じれば、あの激しいキスが蘇る。思い出したくないはずなのに、あの感触は唇を離れない。
「好きだったんだよ?私…旭川君のこと」
屋上について、一人で気持ちを落ち着かせながら、整理していく。誰もいなかったため、素直に口に出すことができた。
「なのに、あんなことされたら…」
ドキドキしていることに気づいた。確かに私の心臓の鼓動は加速していたから。私は、旭川省吾にずっと前から恋をしていたのだ…
「旭川君…」
「読んだ?」
!?
そこには、確かに旭川省吾が、私の後ろにたっていた。
「なに…キスしたくなった…?ニヤリ」