次の日も、
その次の日も‥
北岡は学校へ来なかったー。
『北岡また休みじゃん。ねぇねぇ知ってる?!北岡って、
うちらより2コも上なんだってサ。』
北岡の不登校の話題はクラス一お喋りのサチヨにとって、
打ってつけの話題だったー。
『へぇー。やっぱそうだったんだ。どぉ見てもあたしらとタメには見えなかったじゃんねー。』
北岡と席が隣同士のヤヨイが言ったー。
『でもさ、何で2年もダブったワケ?!やっぱ不登校が原因で留年したってコト?!』
正しく興味津々と言った感じに聞くカナコー。
北岡が2コ上だなんて知らなかったー。
確かに背は高いし、体も大きいしー。
変声期だって完全に終わってるしー。
髪は茶色でボサボサだし‥。(あっ‥これは関係ないか‥。)
あたしは、ヤヨイやカナコ達に得意になって話すサチヨの姿を見て、その話の続きを待っていたー。
それは‥。
あたしも北岡のコトをもっと知りたいと思ったからー。
『それでさぁ〜。その理由何だケドー。』
サチヨが再び何かを言い掛けたー。
『喘息だってー。』
一瞬耳を疑ったー。
北岡が喘息持ちで2年留年ー?!
サチヨの今の話から推測すると、そういう事になるが、
あたしには全然信じられなかったー。
此処に居るクラスメイト達は、入学から二学期が始まって間もない今日まで、
何回北岡と顔を合わせただろうかー。
その存在感の強さから、北岡がこの学校内で、どういうポジションについている人間なのかと言う所は心得ていた筈ー。
クラスメイト達は、登校している姿を、普段あまり見る事が無い、2コ上の“怖くて近寄り難い存在”の北岡の人物像を、多彩な想像力でイメージしたー。
それらの想像の数々は、あたしの知ってる北岡の人物像とは大きく掛け離れていたー。
この日は、クラス中が北岡の話題で持ち切りだったー。