キミの腕に、今でも梟のとまった感触は残っていますか。
大好きな飼い主さんと離れ離れになってしまった梟は、それはそれは後悔ばかりしていたの。
「ちょっとだけ、優しくしてもらえるかな?」
ほんのささいな興味本意で飛び出してしまった梟を待っていたのは辛い現実ばかりだったの。
自分はペット、飼い主さんは人間。
しょせん、愛し合う事など願うのも無理な話。
それでも梟は、暑い季節に飼い主さんと愛し合った記憶があったの。
すべてはその記憶にすがっていたのだけれど、どうやらそれは、居心地の良いカゴの中で見た夢だったのかもしれないの。
住む世界が違うのに気付くまで、あとどれくらいでしょう。
その前に、大好きな飼い主さんが現れて、梟を抱きしめてあげるのかな。
自分のリアルな立場に気付いた時、その梟はどういった行動にでるのでしょう……?
・・・・・・・・・・・キミの上には今も、あの梟は飛んでいますか?
続く