この話はほとんどノンフィクションですが、一部手を加えた、フィクションの部分もある話です。
『初会』
ユリナを初めて見たのは少3になりたての春だった・・・
クラス替えをしたばかりで、少し緊張感があり、知ってる子と輪を作って、先生が一学期最初の挨拶をしにくるまでの休み時間、新しいクラスメートについて情報交換をする。そんな普通な光景だった。
俺が席について、後ろに座るコウキに話しかけていると、その後ろに座るユリナとふと目が合った。
まるで磁石で吸い寄せられたみたいに・・・
彼女の瞳に映る自分の姿を見て、何か恥ずかしくなって、目をそらしそうになった。
すると彼女は落ち着いた包み込むような優しい声で言った。
「私、ユリナ。ええっと、君は確か、」
「恭助だよ。よろしく!!」