あたしとアヤの関係

梨亜  2008-01-24投稿
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今のあたしとアヤの関係は、新体操部の先輩と後輩。
あたしが中学二年生で、アヤは一年生。

何年か前、小学生の低学年くらいまでは、幼稚園からの幼馴染み。
あたしが卒園してからも、会えば必ず遊んでた。
幼稚園に通ってた頃は、手をつないで登園なんかもしてたっけ。

でも、高学年になってからは、お互いに嫌い合う関係になってた。

誰にでもいるよね。
どうしても気が合わない人って。

あたしとアヤは、そうだった。

小さい頃はまだよかったんだ。
なにも気にしなかったから。
園児がそんなこと考えるはずないよね。
それに、アヤは普通に可愛い子だったし、背も小さかったから、あたしにとっては妹みたいなものだった。

でもアヤが小学校に上がってからは、あまり遊ぶ機会がなくなった。
公園で会ったりしても、お互いに同級生ばかりと遊んでた。

そんなある日。
ひとり、公園で鉄棒の練習をしていたあたしは『ふーちゃん』に出会った。
本名は知らない。
もしかしたら、忘れちゃったのかもしれない。
ふーちゃんは、このとき五年生だった。
あたしは、二年生。
明るくて、面白くて、面倒見がいい。年下に好かれるというカリスマ的なものを持っていた。
そんな『当時』のふーちゃんとあたしが仲良くなるのに、時間はさほどいらなかった。

あたしが三年生になるころには、ふーちゃんとは毎日のように遊ぶ仲になっていた。
ふーちゃんは、とても友だちが多かった。
とにかく顔が広くて、いつも遊ぶときには、何人かの別の友だちも連れて来た。
中には、初めて会う子ももちろんいたけど、ふーちゃんを介して、仲良くなれない子なんていなかった。
たくさんの人と遊んできたけど、その中にはふーちゃんの『本当の友だち』なんてひとりもいなかったんだ。
ふーちゃんの同級生には、多分会ったことなかったし。
幼いあたしは、気付くはずもなかった。

三年生も後半に近付いていた頃、あたしとふーちゃん、そしてあたしのふたつ下の実の妹、エリは、いつもと同じように、公園で遊んでいた。
その時あたしは、たまたまアヤと再会した。



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