その頃の町は、まだ、道だって狭く舗装だったされてなく、土のままだったね。
少し広い道には砂利が敷いてあって、たまに、車が通ったり風が吹いたりしたら、ほこりがひどかったなー、ちょうどあの『三丁目の夕日』の時代だよ。
あの頃のバスはもちろんボンネットバスで、ワイパーは左右それぞれスイッチが有って、片方ずつ動かす事が出来たし、ウインカーは赤くて格納式、そうそう、よくオーバーヒートしてたね、ラジエーターが水漏れしちゃうんだよ、運転手がバケツ持って水をもらいに行ってたな。
最初、公衆電話は八百屋とかタバコ屋の角に置いてあったね、『公衆電話』てさ書いてある赤い台に赤い電話機が、それでね、市外に掛けるときは、店の人に言って、鍵を使って切り替えてもらうんだ、しかも、今と違って、十円で話し放題でね、皆、長話をするものだから、後で、一通話時間が決められたんだ。
そして、あの頃は、八百屋の店先には季節の野菜が並んで居たな、今は、季節感が全くと言って良いほど、どの、季節の野菜でもいつ行っても有るよね、あの頃には考えられない事だね、ただ、漫画の本にはね未来の世界みたいな事では書かれてはいたよ、そんな時代が、こんなに速く来るとは、ほとんどの人は、思ってはいなかっただろうね。