隆也は龍雅のストライカー『ディア=パノス』の度重なる反撃に遭い、平常心を保てなくなっていた。
龍雅にはその様子を伺う術はなかった。
しかし、過去に革命教団と度重なる戦いを繰り広げてきた経験から隆也がどのような状態になっているのかを予想するのは造作もなかった。
隆也「今すぎゅに殺してやるよオオオオオ!!!」
次に隆也から発せられた第一声がそれだった。
ハイペリウォールはディア=パノスから離れるために頭突きを繰り出した。
しかし、ディア=パノスのパワーが勝り、びくともしなかった。
次の瞬間、ハイペリウォールは素早い動作で何回も頭突きを繰り返した。
その姿はまるで何回も頭を下げる人間のようである。
龍雅(なんて奴だ…)
隆也「ヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!!!お前が離すゅまで何回でぃえもやるずよぉ!!!」
ハイペリウォールの硬い装甲自体が武器となり、ディア=パノスにダメージを与えていた。
ディア=パノスは残った左手でハイペリウォールの頭部を押さえることで、ようやくその動きを止めることができた。
ところが今度は胴体をよじらせるとディア=パノスに掴まれていた左腕と頭部を捩切ってしまった。
足と胴体だけとなってしまったハイペリウォールは直ぐさま腹部のオープン式ブースターを開き直ぐさま後方に退いた。
龍雅「自分で機体を切り離しただと!?」
隆也「ヒャ!!!オマエ…アタマノ…バクダンで……シネ…キャキャキャキャキャキャキャ!!」
龍雅が一瞬の出来事に動揺していた次の瞬間であった。
ハイペリウォールの頭部が爆発しディア=パノスは姿を消した。
そして夜の砂漠の砂は爆発の炎で一瞬にして真っ赤に染め上がった。