「どうしたんですか!?
そんな格好して?」
戦闘服姿のジュリアに驚いた龍華がそう言うと、ジュリアは。
「とにかく全員直ぐに着替えなさい。
早くしないと魔獣に喰われるわよ!!」
ジュリアの言葉に事の重大さを感じた三人は直ぐに着替えを始めた。
*
龍華は赤い鞘の脇差しを、力也は死神を想像させる巨大な鎌を、オロマは絶対大きすぎて使えなさそうな巨大なチェーンソーを腕に装着し、ジュリアは腰のガンベルトに銃身が異常に長いマグナムを装着した。
皆が戦闘服に身を包み、それぞれの武器を身に着け、彼等の周りには殺伐とした雰囲気が漂っていた。
「さっき前線本部から町に大量の魔獣が出現したって連絡が入ったの。外を見てみれば一目瞭然よ。」
そう言うと、ジュリアはカーテンを開けた。
雪が降り積もる中、人間の身体と爬虫類の頭部が合体した様な魔獣がぞろぞろと群れを成してホテルへと近付いている。
「奴等はマナの高い私達に釣られてやって着ているわ。
だからホテル前の広場である程度の魔獣を片付けた後、バラバラに散らばって町中の魔獣を駆除。
ホテルの中へは一匹足りとも入れさせてはダメよ。
絶対にね…」
ジュリアの指令にイェッサーと三人は答えると同時に、ホテル全体に戦いの始まりを告げるアナウンスが流れた。
「宿泊客の皆様は直ちに最上階へ避難して下さい。繰り返します……」