宝物17

ラク  2008-01-26投稿
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ところがいつまで待っても真紀はやって来ない。
結局、学食に真紀がやって来ることはなかった。
どうして今日、真紀は来なかったんだ?
もう俺に落とし物渡したからか?
俺は一気にテンションが下がり、授業が終わっても下を向いて歩いていた。
俯きながら家に帰ると、部屋で今朝の猫が鳴いていた。
「ゴメンな、腹減ったよな。ちょっと待ってろ」
俺は冷蔵庫から牛乳を持ってきて猫にあげた。猫は勢いよく飲み始めた。
俺は無意識にその猫に語りかけていた。
「なぁ、好きな人が毎日来る場所に来なかったらどう思う?」
何アホみたいなことしてんだ俺は。猫が人間の話なんか聞くわけねえのに…。
しかしそんな感情が脳裏をよぎった直後、牛乳を飲んでいた猫が突然飲むのを止めて、俺のあぐらの足の上に乗っかってきた。
その時俺はこの猫が可愛くてたまらなくなった。
「ありがとな。お前は俺の気持ち、わかってくれるんだな。嬉しいよ」
そう言って、俺は猫の頭をなでた。
こんな俺の気持ちを理解してくれる猫と、俺はいつまでも一緒にいたいと思い始めるようになっていた。そして、俺はこの猫を飼うことに決めた。
俺はこの猫にタマと名付けた。あり来たりな名前だがなんとなく、という気持ちで決めた。



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