月あかり

レオン  2008-01-26投稿
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気付くと、窓の外には懐かしい景色が広がっていた。
見覚えのある看板が目の前で止る。どうやら、到着したらしい。
ゆっくりバスを降りると、まるで子供の頃にタイムスリップしたかの様な、何も変らない町並があった。
俺は迎えの車を探した。
出発の前に連絡を入れたから、弟の明が駅まで迎えに来ているはずなのだが…。
見当たらない。

俺は仕方なく駅の公衆電話から電話する事にした。
「おっ懐かしいな」
公衆電話は今時珍しく、回しすタイプの(黒電話みたいな)ダイヤルだった。

家へ電話するとオフクロが出た。 「なぁ、明迎え来てないんだけど」
「ハイ?どちら様でしょうか?」
ジイチャンが危篤だってのに、オフクロは何ふざけてんだ。
「俺だよ!真琴だよ!」
「あのぉ、悪戯なら切りますケド?」
オフクロどうしたんだ?もしかしてボケたか?
「いい加減してくれよ。明、明出して」
「はぁ、いいですけど…」

しばらくして聞こえてきたのは「ンバァ、ブゥブゥ」という赤ん坊の声だった。
どういう事なんだ?
俺は訳が分らず、ボォっとしながら駅を出た。

取りあえず歩こう。
駅から家まで徒歩で30分。疲れていたが迎えが来ない今歩くしかない。

ふと鞄に手をやり煙草を出した。何時間ぶりの煙草は最高にウマイ。煙草をふかしながら歩いていると「コラッ」と言う声と共に俺はシャツの首根っこを誰かに捕まれ、後に引っ張られた。
・・・・・・



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