隆也「ギャアアアアアアア!!!!あ…頭が…熱い…」
鉄柱に拘束されている結奈の前で隆也は頭を抱えてうずくまってしまった。
結奈はその状況を全く理解出来ずにいた。
結奈の後ろに控えていたガイラーが頷きながら隆也に近づいた。
ガイラー「これは我らの理想の形だ。彼はその実験段階の一つに過ぎない。しかし」
ガイラーはうずくまる隆也の前に立つと、
ガイラー「飛んだ失敗作だな!!」
と隆也を罵倒し脇腹を蹴り上げた。
痛みに苦しむ隆也は悶えながらもガイラーを上目で睨み付けた。
ガイラー「…代わりのモルモットはいくらでも必要だ。そこでだ…」
ガイラーは右手を結奈の顎に添えるとなめ回すような視線を送ると同時に優しく語りかけた。
ガイラー「君には我々の同志となり我らの理想郷のために働いてもらう。この男のように…」
うずくまり息も絶え絶えな隆也の方を向いた。
結奈は完全に怯えた目で首を大きく横に振った。
その時であった。
工場の外から突然、爆発音が聞こえそれと同時に地面が上下左右に激しく鳴動した。
ガイラー「!?何事だ!?」
ガイラーが大声で叫ぶと工場の暗闇の奥から返事が返って来た。
『敵襲!!!軍の奴らです!!!』