「楓!酷い..誘ってくれた本人が来ないなんて!」
「ごめんね。休みだったはずの部活で急に召集掛かっちゃて。前の試合が散々だったから特練よ!でも舞美もいたから大丈夫だと思って、許して!」
「じゃあお願い有るんだけど。聞いてくれる?」
「何でも言って!!あすか!」
「A女子の近江はるかさんて知っている?この前の試合で対戦してた。」
「うーん。詳しくはあんまり知らないけどテニスでは県内ではかなり有名で、全国でも良い成績を残してるよ。」
「K市出身?」
「ううん。たぶん寮だから違うでしょう。県内でも入ってる子いるけどよく知ってる子ばかりだから。高校で地方から来たんじゃないかな?」
「他は知らない?」
「どうしたの?舞美もなんか、あすかが何か近江さんと話してたって言ってたし。奇妙な取り合わせよね?」
「私もそれが知りたいんだけど..何で私なのか?」
「まあいいわ!A女子には知り合い多いし、その関係で合コンも出来たんだけどね。聞いといてあげる。あすかの頼みなんて珍しいもんね。いつもお世話になっておりますので!」
「あんまり大袈裟にしないでね。」
「解りました気をつけまーす!じゃあ情報入ったら言うね。」
「うん。お願いします。」
よくドラマに有るのは、隠された双子だとか姉妹とかあるけれど私は当て嵌まらないと思う...たぶん..だって実の親だし、赤ちゃんの時の写真だってちゃんと残ってるし。それに全然はるかさんとは似てないもん。
でも出会ってしまった途端間違いなく私とはるかさんとの間の見えない何かを感じて、私はそれを知りたいと思ってしまったの未来なんて見えなかったから...
「エピソード生まれた場所」
私は19〇×年9月13日K市に生まれて、優しい両親に育てられた独りっ子。
名前は楠田あすか16歳高校2年生乙女座。それが私の簡単なプロフィール。
何の不自由もなく、幸せに暮らしてきました。
では彼女は?どんな人生を贈って来たのか何処で生まれてどうゆう風に育ったのか?知りたかったの...
私の心の中の不安を取り除くためにも。だってあれから母の様子が何だか気になってしょうがない。父も。まるでドラマそのものの、空気が変なカンジ?
でも母の時々見せる悲しげな表情に何も聞けない。でも私は両親を信じているし、不安は感じてない。
つづく