目が覚めると
彼女はまだ眠っていた。
階段をかけ降りて窓の外を覗く。
そこらじゅうが白い。
僕は彼女を呼ぶ。
何度も呼ぶ。
彼女が起きてくる。
僕に優しくキスをする。
ピリッとする。
彼女と新聞を取りに外へ出る。
僕も彼女も一緒にまっ白な道を踏む。
ヒンヤリする。
僕は昔を思い出す。
暗くて四角い箱の匂い。
ペコペコのお腹。近づく彼女の優しい声。眩しい光。冷たい空気。彼女の笑った白い息。
上からフワフワ何かが落ちてきて、僕の鼻に触れたんだ。それはなんだかヒンヤリしてて、気持ちがよくて、
僕は『ニャー』って鳴いたんだ。
僕は今、幸せだニャぁ。