友達

桜子  2008-01-27投稿
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小学5年の時、仲の良かったユキから頼み事をされた。

それが始まりのきっかけ。

「これ、ショウに渡してくれない?」
バレンタインのプレゼントだった。

近所に住んでいるチビなうるさいヤツ。
そんな印象しかなかったから、びっくりした。

下校時刻。
ショウがひとりになるタイミングを見計らって、預かりものを差し出す。

「受け取れない」

私だって、キューピッドを引き受けた以上、そう簡単には引き下がれず、受け取れ、受け取れないの攻防は延々続いた。

結局根負けしたのは、私だった。

「俺、好きなやついるから無理。」

最終的にプレゼントは彼が受け取ったという形だけつくり、実際は私が持って帰るはめになった。

「もぅ…。なんで私が。」
でも、ショウがあんな顔するなんて…意外だったなぁ…。なんて思いつつも、明日ユキになんて言おうか悩んでいた。

「オハヨー。昨日ありがとうね。夜ショウから電話あったよ。」

怒られはしても感謝される事はしてない私は、内心ドギマギ。
渡せなかった事を謝りそびれ、中身がオルゴールだった、あのプレゼントは、今もここにある。
曲名はリフレインが叫んでいる、だ。
それを聞く度に、本当にね…と苦笑するしかないけど。



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