少年は門の前にいた
「ここだな」少年は目を輝かして言った。
 「ここで僕は過ごすんだ」そういって、少年は中へと入っていった。
  ここは私立大虹高校。小・中・高一貫校で入学金・授業料が公立並、特別な奨学金制度もあって・・・まあ、いろいろな高待遇のある超人気校である。
  さらに、ここにはとても大きな特徴がある。それは完全全寮制である。どれくらい完全かというと、ここに入学してから、卒業するまで親に会えないぐらいだ。
  ここに転校することになった少年がいた。その少年は学長室へ向かっていた。  コン、コン
 「失礼します」
  少年が中に入るとそこには50歳ぐらいの男性と20代後半ぐらいの女性がいた。 「君が転校生の太田  準君だね」
  「はい」
 「学長の実松だ。よろしく。必要なことはこの書類に書いてある。」 
 「わかりました」 
 「あともうひとつ、三村君あれを」
 「はい」 
  三村は奥から、鍵を持ってきた。
 「君の家の鍵だ。家の場所は最後の書類に書いてある。話はこれでおしまいだ。」
 「ありがとうございました」
  準はもうひとつの門を見つけ、その門を抜けると、  「わぁ、すごい!」  
準の目にとびこんできたのは、街だった。
  「ええと、この道をまっすぐいって・・・」
  準はふと街を見回した。そこは八百屋や魚屋、CDショップまであった。
  (場所間違えたかな?)  そう思ったが道行く人達を見て、間違えてないと確信した。全員学生だったからだ。
  安心して家への道をいくと、
   ボッ!  という音がした。
   (なんだろう?) 
  そう思って路地裏へと入っていった。
  路地裏の細い道を抜けると、そこにはすこし広めのスペースがあった。不良でもいそうな雰囲気だったがそんなのはおらず、一人の少女がいた。
  (何しているのかな?)  準はその少女を見ていると、手を握りそして開いた。すると、そこから火が出ていた。