闇の次は光?
黒の次は白?
ねえ、それは希望?
───絶望。
く だ ら な い。
だって、そう。
あのときだって。
──…『こら!!先輩が後輩をイジメるな!!!大人気ないと思わないのか!?』
やっと見えた“光”。
本当だったよ、確かに。
『ね、ずっと俺をぎゅってしてくれる?』
『ははっ、可愛いな。当たり前だろ?』
屋敷で邪魔だと怒鳴られようと。
先輩に金貸せと恐喝されようと。
自分を認めてくれる存在が、理解者がここにいて。
それだけで凄く幸せだったから。
『ねぇね、抱っこ!』
『憂は甘えんぼだなあ〜そんなに好きなのか?抱っこが』
『ううん』
『…?』
『ゆーま先輩が好きだから、ぎゅってするの。』
小さい俺は。
先輩の肩に顔を埋めて。
幸福を感じていた。
『ああ、俺もだよ』
日に日に部の先輩からの嫌がらせも減っていった。
でも。
『───…』
ね、どこ?
幼い足取りで歩く俺は、必死になって探し回る俺はよほど滑稽に映っただろう。