昼休み学食で四人は昼食を取っていた。
他愛のない学生同士の語り合いをしている。
だが時々愛美は遠く見つめていた。
そんな愛美を秀二は見つめる。また愛美を見つめる秀二を奏はいつも見ていた。『秀二さん貴方は愛美さんを好きでも私は構わないわ…』
奏は秀二が愛美に想いを寄せているのを知っていて相手が親友の愛美という事もあり諦めようと思っていた。
三人は悲しい片思いの関係でもあった。
放課後愛美はみんなと別れ佐野の車を待った。
「奈々さん力になって頂けるかしら」愛美は独り言を言っていた。
そこへ車が校門の前に停まった。
「お帰りなさいませお嬢様」
「ただいま…佐野…帰りにCafeへ寄って下さいね」
「……承知いたしましたお嬢様」
佐野は静かに言ってドアを開けた。
愛美は無言で乗りこんだ。
佐野は運転席に乗り込むと車は発進させた。
二人は車の中で一言も話さなかった。
…つづく…