『初帰』
とりあえず一人で帰るのもつまらないし、ユリナも暇そうだったので、一緒に帰る事にした。
女子と二人だけで帰るのは初めてだったので少し緊張していた。
にぎやかな教室で話す事はあっても、静かな帰り道で、しかも二人きりだったのでだんだん緊張してきた。
とは言えせっかく二人で帰っているので頑張って学校の事、習い事の話で盛り上げていた。
しばらく歩くと、
「あ、私こっちだから。」
「そっか、前に家この近くって言ってたね。」
「うん。恭助はそっち?」
「いやせっかくだから俺も行くよ。あんま変わんないし!」
「そっか、ありがとう!」
こうして彼女を家まで送り届け帰った。
それ以降は学級委員集まりはなかったが、ユリナとはますます仲良くなった。
そしてそれから数ヶ月が過ぎ、学年が変わった。
学年が変わってもクラス替えは二年に一度なのでユリナとは一緒だった。
多分この頃から俺は少しずつユリナの事を、意識していた気がする。
もっと話したかったが、一つ問題があった。
席が遠かったのだ。
教室でまったく反対側の席で、おまけに男女がお互いを意識し始める年頃なのかあまり二人きりで話しができなくなっていた。
そして席替えの日がきた・・・