店員が金額を書いた紙を和へ渡した。
いくら誘われたとはいえ、払う素振りくらいみせないと・・と思い慌ててカバンに手を入れ財布を出した
すると和が
『今日はいいから』
と言って店員にカードを渡した
私は心の中で
よかった・・・
と正直安心した
会計がすみ、店を出た
「ありがとうございます。ごちそうさまでした」
わたしがそう言うと
『じゃあ散歩しよう』と言って歩きだした。
ホテルの場所が都会のため、街は賑わっており、休みとあってかカップルや家族連れがたくさんいる
私は和と歩いているだけで優越感に満ちていた
『手、つなご』
「えっ・・?」
今のは空耳か?
『はる、手つなご』
やっぱり空耳じゃなかった
考える間もなく和の左手が私の右手を握っていた
私はドキドキしすぎて手の脈さえもドクドクと流れていた
手汗かいちゃったらどうしよう・・
変な心配が頭をよぎった
しばらく歩いていると、ライトが少ない公園があった
『ここのベンチで休憩しよう』
公園に入った
「ちょっと待ってて」
私はそう言って通ってきた道にもどった
なぜかというとそこに自動販売機があったのを覚えていたからだ
秋とはいえ、夜の公園は冷える