「ぐ、・・何だ？」
「こ・近藤さんあの化物だ！」
新八は近藤の頭の上で叫んだ。
部屋が床も天井も壁もぐちゃぐちゃになって、すぐそばにいたはずの三人はバラバラになって上や下やらになっている。
「何だ？この殺気は。」
背中を脂汗が流れるのが分かる。全身の毛が逆立ち、
すぅ
と口の中の水分が引いていく。
「新八の言う通りだな。」
汗を拭う土方の後ろで奇妙な男は姿を現した。
「な・総司！！」
土方と近藤が同時に叫んだ。奇妙な男は沖田とみきの首根っこを掴んだまま、現れた。
もがく二人を横目で見て、沖田だけを
ぽい
と捨てた。沖田はそのまますっ飛んで、近藤の下になった障子にぶち当たった。
「ッゴホ、ッゴホ」
口の中の血を吐いた。三人は刀の柄に手をかけたがそこで動けなくなった。
「な・・なんだ・・身体が・・。」
「うご・か・ね・え。」
「こ、これは・・一体。」
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