羽織 青風(はおり せいふう)。中学生。普通に過ごしている。過ごしていたはず。
―――――――――目を覚ますと、泣いている女と亡がら。そして、見なれぬ世界。
(俺、なんでこんなところにいるんだ。)
「ウィン・・・なの・・・?」
「え・・・っ。」
女の問いに答えられない。「ウィン」とは、誰の事をさしているのか大体の見当はつく。だが、そんなことはわからない。
「そんなこと・・・わかんねーよ。」
「そ・・・っか。」
女は立ち上がった。
「ウィンとウルトを運ぶの。手伝ってもらえるかな。」
「・・・ああ・・・。」
「俺は、青風。羽織 青風。」
「青風・・・か。変わってるね。」
「ここは、どこなんだ。」
「・・・セイフル国・・・。」
「セイフル・・・国?」
「あなたは・・・どこから来たの。」
「えっ。」
青風はどう説明しようか迷った。だって、青風がセイフル国にくる前にいたのは人間界。そして、その人間界の学校の図書室の・・・禁書帯。