女は手をあててニッコリ笑いながら口をゆっくりひらいた。
「ゴメン、君死んで。」
女がそう言うと幻はその場から〔ヒュン〕という音と一緒に消えていった‥‥‥
《8:55》
〔スパッ〕
幻は物が切れる音で目を覚ました
「ここは何処だ?」
幻は今自分が何処にいるのかを確認するために立ち上がった。
「なんで俺はこんな山の中にいるんだ?」
そう思っていた幻の背後から、また物の切れる音がした。その音にきずいた幻は振り返った。
「なっ何だあれは!」
驚いた幻の目にうつったのは刃物のような物が空に浮いている景色だった。幻は何が何だか分からず逃げだした。
「ハァハァ‥‥意味分かんねーよ。何なんだよここは。」
走って逃げている幻の後ろから変な男の声が聞こえた
「まだ、生き残りがいたか。」
男がそう言いながら幻に手を向けた瞬間に空に浮いていた刃物のような物が幻に向かって飛んで来た。
〔グサッ〕
「くっ!」
刃物のような物は幻の腕をかすって、男の方へ戻っていった。幻はまた攻撃されるかもしれないと思い、走りながら後ろをちらっと見た。
「うわっ!!」