第一話:仲間
「んっ・・・」
朝日の眩しさに準は目を覚ました。真っ白な天井が見える。と、ガラガラッという音がして、誰かが中に入ってきた。
「あっ、起きたんだね」
聞き慣れない声がする。準は誰だろう?と体を起こした。
視線の先に立っていたのは一人の少年だった。茶色の髪と目に、ビニールのような黒光りする赤いラインの入った服を着ている。歳は13ぐらいだろうか?背は少し大きめだ。
「ここは?」
本当は誰だ?と聞きたかったのだが、なぜかその質問のほうが先に出てしまった。準はしまった!と思いながらも少年の答えを待った。
「見てわかんない?ここは病院だよ」
少年が人懐っこそうな顔でそう答える。
「病院・・・?」
準は首をかしげ、自分の周りを見回した。
確かに、言われてみれば、病院らしく部屋中真っ白だし、かすかに薬品の臭いもする。そう自覚すると、準は目が覚める前のことを思い出した。自分が暗闇の中、光に向かって息を切らしながら走っていると、突然暗闇が襲ってきて、準の体を・・・・・・いやだ!!それ以上は思い出したくもない!!
準はブンブンッと首を振った。それを見て、少年がくすっと笑いながら言う。
「どうしたの?目が覚める前の[夢]ことでも思い出した?」
少年の言葉を聞いて、準はハッと少年を見た。
(なんでこいつが夢のこと知ってるんだ?)
準は不信に思い、くすくす笑いをやめて、今度はニコニコしている少年を手招きした。少年は素直にこちらにやってくる。
「お前、何者だ?誰なんだよ?」
準が聞くと、ふと、少年がニコニコしたまま、礼儀正しくおじぎをし、準に言った。
「申し遅れました。僕は慧衣(えい)」
慧衣が顔を上げる。
「ドリーム・ストレンジャーさ!!」