家までの帰り道、並んで歩きながら、今日のいきさつを話す。
「マミはそのまんまでいいんじゃねぇ？今日みたいに堂々としてりゃあ、向こうから謝ってくるって。」
「でも一人って案外淋しいよ〜。」
「マミには俺がついてるから、一人じゃねぇじゃん。」
ショウはそう言って笑った。
ショウの笑顔を励みに翌日、登校したけど、クラスの女の子は誰ひとり、おはようとは言ってくれなかった。
「マミ！不細工たぞ〜。」
そう言って、頭を叩かれた。
振り返るとショウが笑っている。
「もぉ！セットが崩れる！！」
口では怒ってみても、ショウの優しさが嬉しかった。
結局、その日の昼休みを境に、パラパラと、女の子達は謝りに来た。
「ごめんね。マミは悪くないよね。本当ごめんね。」
「マミちゃん、ごめんね。」
その日の帰り道、昨日ショウと話した道端で、しばらく待った。
「またいじめられたの〜？」
笑いながらショウがやってくる。
「みんな謝ってくれたよ。ショウのおかげだよ。ありがとう。」
「で、許したの？お前優しいね。」
「ショウがいたから、辛くなかったし。みんなに謝るように言ってくれたの、ショウだよね？マジありがとう。ついうっかり惚れそうなくらいだよ。」
最後の一言は、軽い冗談のつもりで言ったのに、
ショウは真っ赤になってしまった。
「馬鹿。俺はなんもしてねぇよ。」
私は、ずっと気になっていた事を、思い切って聞く事にした。
「ユキとはどうなってるの？」
ショウは、苦笑いで
「付き合うって話しになったけど、なんもないよ。ユキもあきたんじゃねぇの。」
「え〜、そんな事ないでしょ〜。」
そう言いながらも、頭の中では（好きな子がいるって言ってなかったっけ？好きな子はユキだったのかな？？）とかイロイロ考えて、いた。
すると、ショウが真面目な顔になり
「マミ、お前さ。困った事あれば、いつでも俺に言えよ。何でも聞いてやっからさ。」
そういうと、やべぇ塾だよとかボソッと言って、走って帰っていった。
「何？あいつ？？ちょっとカッコイイじゃん〜。」
私はひとりごちて、ショウの後を追うように、駆け出した。
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