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レナ  2006-04-16投稿
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男が降ってきているのに誰も気付かない。
(近づいてる・・・)
少女が棒を腰から抜いた。
端に手を掛け、それを引き抜いた。
すると、一寸の白銀の光が煌めいた。
鍔を持たない刀が少女の手に握られていた。
先程まで、棒だった物は刀と鞘だった。
刀の刃の先端を地につけ、鞘を逆手に握って再度周りを見る。
一部のカップルは驚き、一部のカップルは逃げ、一部のカップルは騒いでいた。
紺色のスーツを着た男が少女の真上に音も無く、現れた。
「残念」
「!?」
少女が咄嗟の判断で刀を頭上に向けた。
しかし、刀は空を切り、男に当たっていなかった。
「お前、とろいんだよ」
まるで、瞬間移動したかのように、少し離れた位置に紺色のスーツを着た男が立っていた。
声は低いが容姿は若く、細身だった。
「何度も、しつこい」
それに比べ、少女の声は透き通っていた。
どのカップルも騒ぎ、逃げていく中でもその声はよく聞こえている。
「しつこいって、お前のそれの奪回が使命だからな・・・」
少女が持っている刀を指差す。
「これは私の分身。あんたにあげるわけにはいかない」
「・・・・・・」
男がため息をつき、頭を掻きむしる。
「・・・貰うんじゃない。奪うんだ」

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