処刑生徒会長第四話・19

まっかつ  2008-01-29投稿
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『それで良いさ―私だって戦争を求めている分けじゃない』

港リリアが就任してくれれば、差し当たりケンヤは満足みたいだった。

『それでは正式な話は役員会で―君達は一足先に行きたまえ。私も用意したらすぐ行くから』

港リリアと赤木マモルは挨拶し、ドアを開けて廊下へと消えた。




























少しして内側から鍵をかけた梅城ケンヤは、会長卓から衝立一つ隔てた向こうの応接ブースに回り込み、ソファーにどっかと腰を降ろした。

敵を騙すにはまず味方からと言うが―\r

『だんだん人が悪くなってゆく気がするな』

自嘲気味にケンヤはつぶやいた。

戦争が起きるかも知れない?

違うね。

戦争は起こされる物なのさ―\r

人によって―\r

この場合は俺が起こすんだがな―\r

そう。

梅城ケンヤはもう用意しているのだ。

戦争を―\r

何故か?

(本当なら十一月の選挙まで待つべきかとも思ったが)

いよいよ始まるのだ。

ケンヤの計画―\r

生徒1000名の抹殺計画が―\r

学校内司法自治全権委任法の施行以来、全国の生徒会に暴君が現れ悪の限りを尽した事がある。

無実の生徒が処刑された事もある。

学校同士の抗争で死者が出た事もある―\r

だが―\r

1000人も死んだ例しはない。

そこまで考えて、膝の上で組まれたケンヤの両手はガタガタ震え出した。

ケンヤは恐れていた。

脅えてもいた。

(俺は―俺は1000人も殺すのか。まだ13才で、車すら運転出来ないこの俺が)

もし実現したら―\r

日本史上最大の大量殺人だ。

自分は史上最悪の大量殺人鬼だ!

くそっ

やらねばならないとは分かっているが、ここまで残虐な所業まで本当にやらなければならないのか?

くそっ―\r











だが―\r

『いいや、俺はやる』

名状し難い目付きから妖しい光を放って、ケンヤはそう断言した。

自分に向けて―\r

『それでイジメがなくなるのなら、俺はやる』

いつしか手の震えは止まっていた。

そして、ケンヤはズボンのポケットから携帯を取り出した。

かけた相手につながれば―\r

もう後には引けない。



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