一睡もできなかった…
―更に2日後―\r
まただ…またあの音が聞こえる…いつからこんなことになったんだろう…
指輪をした日だ…
このまま怖がっても仕方ない…道路と化粧室の鏡と天井裏の奇怪音…
明らかに指輪をした後からの不可解な出来事。
謎をとこう…
この指輪がなんなのか…
私は古い指輪店へ足を運ぶ。
後ろから視線を感じてしょうがないが、今はそんなの無視。
指輪店の店長にこの指輪は何なのか聞く。
「ああ、この指輪は、10年くらい前に流行った物だなあ…今は持ってる人が少なく、希少価値だからなあ…羨ましいよ…」
10年くらい前…
頭の脳の奥に何かがひっかかる…
10年前の出来事…
私は他にも指輪の秘密がないか調べる。
そこで、ふと携帯を開と……
待ち受け画像の絵が知らない女に変わっていた。
10メートル程度奥にいる。
「あんた…あんたは何よ…誰よ!」
携帯に叫んでもしょうがない。ふと指輪を見てみると…
ダイヤモンドの部分が抜ける仕組みだったようだ。
そして、今更と言わんばかりにダイヤの下から名前が出てきた。
「斉藤…真美子…?」
斉藤…斉藤…また頭の奥でひっかかる。
名前の下には小さく住所が記してあった。
「広島…」
すぐにその市内へ車を飛ばす。役者や交番、色々な会社を回って「斉藤真美子」を探す。
見つけた。病院のカルテに斉藤真美子がある。
享年37歳……
死んでる??
時間を調べようと携帯を開くと…
「…………」
さっきの絵はまだあった。しかし異なっているのは…
「大きくなってる…?」
いや、実際には近くなっている…さっきとの時間差は一時間…
嫌に恐怖がます。
私は死ぬのか?
こんな知らない女なんかに…知らない…知ら…
斉藤真美子…斉藤…斉藤…斉藤結衣…?
頭の奥の言葉が一気にこみ上げる。
斉藤結衣。…斉藤…結衣…
斉藤結衣は覚えている。昔の知り合いだが、私たちがまだ学生のころに自殺。なぜかはわからない。
では何故この指輪が私の家に…?
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盗んだんだ…
私が結衣の家に行ったとき…あまりにも美しい指輪を盗んだんだ…
あの指輪は…
あの指輪は…
結衣の母…真美子のプレゼントだったのだ…