斉藤結衣…
学生時代の親友…
私は、結衣の家にいったときに、結衣の部屋に置いてあった指輪を奪ってしまったのだ。
もちろん 「私の指輪知らない?」とは聞かれたが、私はそこでなんといった?
「知らないわよ!人のせいにしないでよ!」
翌々日…彼女は自殺した。窓からの飛び降り…
指輪は家に置いておいて忘れていたのだ…
あの指輪は、結衣にとっては命に値する。
死ぬ直後に母親に貰った誕生日プレゼントなのだ。
なくしてしまっては生きられるはずがない。何故なら結衣にとってこの指輪は母親と同等…
「いやあああぁぁぁぁ!」
急に真実がわかると怖くなる。この指輪には今結衣が憑いている…
あの電話のカエシテは…結衣の叫びだ…
鏡の女も結衣…
結衣…
後ろから誰がついてくる?
足音が聞こえないのに影がこちらに伸びている…勇気を振り絞り、後ろを見る。
「ゆ………結衣…」
髪が長く、頭から血を流した女性がいる。
すぐに指輪の霊、結衣だとわかった。
「ユ…指輪…カエシテ…信ジテタノニ…アナタがワタシのイノチをウバッタ…アナタが死ネばいい…アナタが死ねばいい…アナタが死ねばいい…アナタが死ねばいい…アナタが死ねばいい…」
いやあああ!!!!
私は叫び、走り出した。
すぐそこの曲がり角を曲がると…結衣がいた…
「アナタが死ねばいいアナタが死ねばいいアナタが死ねばいいアナタが死ねばいいアナタが死ねばいいアナタが死ねばいいアナタが死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ねばいいアナタが死ねばいい…」
気がつくと私は家で寝ていた。
全て夢だったのか…?
そうおもうと気が楽になる。
指輪もない。無事に終わったのだ…
私は仕事に行く準備をした。
ふと携帯を手にすると…
着信履歴:一件
誰から?
電話に出る
「もしもし」
「アナタが死ねばいい…」
……
[広島県 平和公園近くのアパートに、OL女性の絞殺死体が発見されたもよう。警察は殺人と判断し、捜査を進めるもよう…]
指輪 完