『ママァ〜!!ここのお兄ちゃんとお姉ちゃん、チュウしてるよぉ〜!!ママァ〜!!早く早くぅ〜!!』
さっきの若いお母さんの子供が、
あたし達の側で、
指差し叫んでいるー。
『ママー!!早く来てぇー!!』
そう言って、その子供はお母さんの元へ走って行ったー。
『あは‥。見られちゃったね?!』
恥ずかしさを打ち消すかの様に、あたしは言ったー。
『‥‥子供って無邪気だな‥‥‥。』
そう言った北岡の、横に背けた顔が赤かったー。
教室から、あたしの手を引き、此処まで連れ出してくれた北岡の手の温もりを、あたしは思い出していたー。
『北岡君‥。あたし‥。』
そう言い掛けたあたしの気持ちを悟っているかの様に、北岡は言ったー。
『木下。俺はお前が好きだ。』