それから私達は黙って浜辺を歩いた。ずっと、黙っていた。
静かだったがなんとなく心地よかった。だんまりでこんなにも安らげるのはこのヒトと共にいる時だけだろう。
*
神崎、いや、雪。
俺はお前となら'線'を越 えても構わないと思って る
雪、お前は俺の事…
本当はどう想ってる?
*
目を開けたその瞬間、眼前に先生の どアップが。今の声は何だったのだろう…
「おは…よう」
「おはようございます…」私も先生も、焦る事なく言葉を交わし、ゆっくりと元の位置に戻る。
「着いたぞ」先生は私と目を合わせる事なく言った。