ばぁば…
大っ嫌い。
昔も今も…
ケド大好きだった。
私は言葉が出なかった。
母は私の手を取って
「一緒に暮らしましょ」
と言ってきたけど、私は首を横に振った。
私は此処にいたかった…。
次の日、祖母の荷物の整理をした。
こうやって、荷物の整理をすると本当に祖母がいなくなったんだと、涙が溢れた。
「泣くんじゃないよ!」
祖母の声が一瞬聞こえた気がした。
中学3年生。
進路を決めなくてはいけない時期に、私は一つの決断をした。
高校進学はしない。
これが私の下した決断だった。
祖母へそれを告げると、険しい顔で一喝された。
「お前は何を考えてる!!金の心配してるのか!子供が金の心配すんな!勉強して偉くなってばぁばに早く恩返ししてくれよ!!」
その日から、バイトを辞めさせられ、私は受験勉強に励む事になった。
その分、祖母は前にも増して頑張った。毎週日曜は店が休みだったが、それも返上して働いた。
合格。
みごと地元の高校に受かった。
この時ばかりは、祖母は喜んでくれた。
「おめでとう!!ばぁば、安心したよ。」
嬉しかった。
嬉しくて嬉しくて、祖母が喜んでくれたのが嬉しくて、私は泣いていた。
「泣くんじゃないよ」
祖母は笑いながら言った。
こんな穏やかな日々がずっと続く気がしてた。
早く祖母に恩返ししたい気持ちで一杯だった。
〜八話へ続く〜