丁度、余命宣告通りの半年後、祖母は死んだ。
私を一人残して…。
私の誕生日を一ヵ月過ぎて、祖母の桐のタンスから手紙を見つけた。
私の誕生日に渡すはずの手紙を…。
いくら「ありがとう」
を言っても感謝しきれない。
大っ嫌いだったよ。
頑固物で
優しくなくて
魔女みたいで
働いてばっかりで
素直じゃなくて…
私を一人っきりにして…
でも大好きだったよ。
私に愛情を注いでくれた。
私を見守ってくれていた。
寝る時、寝てる私の頭を撫でてくれてたの、知ってるよ。
春が来て夏が来て、秋、冬へと季節は何度か変わり、私も大人になった。
働きながら学校へ通い、看護士になった。
ねぇ、ばぁば…
聞こえますか?
私、春に結婚します。
私は純白のウエディングドレスを買った。
あのお金で。
ありがとう、ばぁば。