「着いたぞ」
先程の声が脳裏に蘇る。あれは多分、先生の声だったろう。私の事『雪』なんて一度も呼んだ事ないくせに…。『どう想ってる』かなんて言わなくても解るだろうに
…大好きに、愛してるに、決まってる。決まりきってる…
「先生」私はきちんと先生の方を向いた。
「ん?」先生も首をこちらに向ける。
「雪、って呼んで下さい」「え」先生はきょとんとしている。私はもう一度強く言った。
「雪って…呼んで下さい」
先生は少し難しい様な顔をした。「…雪。」
………
カラダが勝手に動いていた。
私はその日、初めて先生とキスをした。