―関西空港
やっと関西空港についた幸は誠の家までの道順を確かめ、バスに乗った。
(誠…元気かな…♪)
と幸の得意な妄想をしているとあっというまに誠の家の近くのバス停に着いた。
スキップをしながら誠の家を目指す。
だが…荷物が…重い…。体はスキップをしたいのだが、荷物が重すぎて、そんな余裕はない。
『…誠の家に着けないかも…』
とﾎﾞｿｯと呟いたその時…荷物が宙に浮かんだ。
上を見上げると、そこには茶髪でいかにもモテ顔の男性が立っていた。
『相変わらずﾁﾋﾞだな(笑)荷物のほうが大きいじゃねぇか？』
『ま、誠？』
びっくりした目で誠を見る幸。
『何？他に誰に見えんだよ？』
幸の驚いている様子を見て笑う誠。
………誠。私はどれだけあなたに会う日を楽しみにしていたでしょう。そして今、あなたの笑顔を独り占めできる私は世界一の幸せ者です…。
『うるさいなぁ。ってかこれでも背は伸びたんだから!!』
真っ赤な顔をして反撃する。
『はぃはぃ。そぅですか↓』
『む〜。なんだょ。その反応〜…』
膨れた顔をする。
『そんなことしてると、おたふくさんみたいになるぞ？(笑)』
幸の顔を見ながら笑う誠。
ﾄﾞｷｯ…
誠の笑顔…眩しすぎます…。
誠の笑顔をずっと見ている幸に…
『お前、熱でもあるんか？』
その言葉にﾊｯと我に返る。
『…ｯ…ないから』
真っ赤な顔をﾌﾞﾝﾌﾞﾝ横に振る。
『じゃぁ、行こうか!!』
誠が幸のﾊﾞｯｸﾞをﾋｮｲっと担いで家に向かう。
誠は大阪に住んでいるのにまったく大阪弁を喋らない。いつも幸が思っている疑問…。
そんなことをまた考えていたら置いていかれてしまった。
『ちょ…待ってよ〜!!』
誠の後ろ姿を急いで追いかける幸。
住宅街の道路には幸と誠の二人の笑い声が響いていた。
そして、幸と誠の運命の夏休みが始まろうとしていた。
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