ある日の昼休み 中津秀二はベンチに一人考え事をしている。
「愛美が幸せになるにはやはり佐野さんと一緒になる事…しかし佐野さんは自分の身分や愛美の父親への恩義があるため愛美を諦めようとしている…佐野さんが愛美への想いを思い知らせるには……少し企んでみるかな…」
「あら…秀二…ご機嫌よう！何してるの？」
奏が話しかけて来た。
「奏…いや…ちょっとね〜そういえば愛美は？」
「バイオリンの練習をしています。愛美にご用？」
「いや…良いんだ…」
秀二は愛美に佐野の件で話さないといけないと思っていた。
「秀二さん愛美の事…」
「えっ何？」
「いいえ…なんでも…」
奏は秀二をひそかに思っている…だが秀二が愛美を好きだと薄々気付いていた…
「か ．な ．で ちゃ〜ん！」
そこへ軽い感じでいかにもモテそうな男の子が現れた。一つ先輩の難波一樹だった。
「難波先輩…ご機嫌よう…」
「奏ちゃん！今日暇？俺暇なんだよね！一緒に食事に行かない？」
難波はかなりモテるが奏には敵わない…いくら誘っても誘いに応じてくれない…そのうち本気で奏を好きになってしまった。
「先輩…私今日はフルートの先生がお見えになる日なので…」
「なんだ〜つまんないな〜折角 夜景の一望出来るレストランを予約したのにな〜」
「申し訳ありません…また今度に…」
「キャンセルするか〜」
秀二はそれを聞いて良い事を思い着いた。
「先輩…その予約の店僕に譲ってもらえませんか」
「いいけど…」
秀二は何やら考えがあるようだ。
…つづく…
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