小学校4年生の夏休み前の頃ボクは転校を経験した。 理由は父と母の離婚だ。 正直ボクは転校とは全く縁が無いと思っていたからとても驚いたのを覚えている。 でも、ボクは少し嬉しかった。小学校ではあまり話す事が苦手で絵をいつも描いていた根が暗い少年だったから友達が一人いたくらいだった。お別れ会の時に手紙を貰ったのだがその手紙の心が通ってないのが誰でも解るくらいだった。
ボクが引っ越して来た所はこの高層ビルもなく今でもカブトムシが採れそうなくらい田舎の町だった。
夏休み中は兄弟4人で川で泳いだ。こういう時に兄弟がいて良かった〜、と思ったりもする。川は氷の様に冷たくて気持ち良く、家に帰ってテレビをつけるとその川を取材してるくらい人気のサマースポットだった。
しかし夏休みはさっさと過ぎていった・・。
登校日、新しい小学校で新しい同級生との初対面の時がやってきた。担任の先生が先に教室に入って、
「おはようございます。今日は皆に新しいクラスメイトが転校して来ました〜、さっ入って。」
先生のおはようございますのイントネーションがおかしい事などお構いなしに心臓が破裂しそうなくらい活動しているのを感じた。教室に入り、 「ボクの名前は沖野マコトです。・・・ヨロシクお願いします。」