アタシはベットを直しに戻ろうとした。
「ベットならそのままで良いわよ。担任の先生にはアタシから連絡しとくからちゃんと病院行って明日元気に学校来なさい。」
先生はにこやかに言った。
アタシはお礼を言って保健室を出た。
「バイバイ総理。」
藍治は去り際に先生にそう言ってた。
「ほんとに病院ついてきてくれるの??」
アタシは相変わらずヴィヴィアンのタオルで鼻を押さえている。
「うん。ついでに家まで送ったげます。オレってなんて良い男!!!」
「良い男は自分で言わないんだよ〜。」
藍治はアタシの顔をじっと見た。
えっ…。
昨日のことのせいか、熱のせいかドキドキしてしまった。
藍治はアタシをじっと見たまま動かない。
アタシも目をそらすことができずにいる。
「顔色、朝より良くなったね。」
藍治は優しく微笑んだ。いつもはなかなか見ない藍治の表情だった。
まだドキドキしてる。
いつもとなにも変わらないはずなのに…。
藍治が普段通りなのにアタシが普段通りじゃない!!!
「そ、そぉかな。」
アタシは右手を頬にあてた。
「うん。」
「でも寝て少し楽になったかも。」
「良かった良かった。」
藍治は嬉しそうにした。