少女がまた手を握ると火は消えていた。
  パチ、パチ、パチ
  準は思わず拍手をしていた。少女はとても驚いた表情で準を見た。
  「すごいね。さっきのマジックどうやったの?」
  少女は固まっていた。
  「あっ、ごめんなさい。驚かしたみた・・・えっ!」
  少女は我に返った小動物のように、一目散に逃げていった。
  (ま、いいか。きっとまたあえるよね。)
  そう思い家路を急いだ。
  家は中心部から少し離れた場所にある、なかなかきれいなアパートだった。
  書かれていた202号室に入って寝転んだ。
 「・・・ここで暮らすんだ」  準は起き上がると書類に目を通した。そこにはほとんど知っていることしか書いていなかった。最後の項目以外は・・・