私は無神経なのだそうだ。
「なぁ、なんでそんなに無神経なのさ」
「別に…私は本当の事言ってるだけ」
そう言うと怒ったような顔してどこかに行ってしまった。
皆は無神経、無神経って言うけど私のどこが無神経なのか分かんない…だって、目の前に死にたいと願う人がいたらそれを関係のない私が否定しても無意味だと思う。それが一ヶ月前の公園で同じような事があったからいつものようにしただけ……
「あの、鈴木さんですか?」
私は家に帰る途中、男に声をかけられた。見た感じ優しそうな人だった。
「はい。そうですけどなにか?」
「やっぱり。…あんたなんだろ?俺の弟を殺したのは…」
私が鈴木だと分かると突然鬼のような形相で責め立てる。
「なんのことですか?」
「しらばっくれるなッ!知ってるんだぞ。お前が俺の弟を公園で見殺しにしたのはッ」
…何を言うかと思えば
「…それは、貴方の弟さんが死を望んで自殺したんでしょ?私はそれを止めなかっただけよ」
「ッ?!!なんで、止めなかったんだよ!」
何をそんな愚問を…
「じゃあ、私が止めたところでどうにかなったんですかね?」
「…?それはどう言う意味だよッ」
「弟さんは本気だった。もしそこで止めても弟さんはまた別の日にやるはずですよ。そんなことしたら私は弟さんを助けるのではなく、苦しみを味わせてしまうだけなのに」
男は驚いた顔をしてその後とても悔しそうな顔をした
「た…確かにそのとおり…だ……」
「私はいつも人に無神経、無神経って言われるけどあなた達は本当に相手の気持ちを考えてるの?自分が望んでるとおりにいかないからって人のせいにするのはどうかな…?」
私はいつも相手を1番に考えて言ってあげてるだけ。それができないのは…偽善者………