君に訊ねています。
生きたいと思いながら
死んでゆく人たちとか。
死にたいと思いながら
生きてゆく人たち。
どちらが、どれほど、
不幸なのかと。
死ぬことは怖くない
君は確かに、そう言いました。
不意に後ろから刺されるよりは、
自ら飛び込み、本望なのと。
なんという我が儘な言いぐさでしょう。
なんという愛のない決断でしょうか。
しかし、もはや、すでに。
尖ったモノを取り上げたり。
単に君を閉じ込めたとしても、
きっと君は、絶望に染まり、
見えない扉を開けてしまう。
君は実に意志の堅い、不器用な人でしたから。
黙って独り、頷いて、
君は君を殺すのでしょう。
私が私にしたように。
ねぇ、人はなぜ、
喪失の裏側でしか、
涙を流せないのでしょう。
ねぇ、どうして私は、あのとき私を殺したのでしょう。
嗚呼なぜ生きて、君の隣にいないのだろう。
私は今さら、君に訊ねています。
こんな日に限って、
空には雲ひとつ見当たりません。