『‥‥アイツとは何もないよ。』
そう言って、北岡があたしに笑い掛けたー。
あたしは、その言葉を聞いてホッとしたー。
ホッとしたと同時に北岡を傷つけた自分に腹が立ったー。
あんなコト言わなきゃよかったー。
『‥ごめんね。あたし‥変なコト言っちゃって‥‥。』
さっきからあたしの涙腺は緩みっ放しだったし、
これ以上話すと、
また泣きそうだったからー
あたしは話すのを止めたんだー。
あたしは決して泣き虫なんかじゃないー
他人の前でこんなに簡単に涙を見せた事なんて一度もなかったからー。
『泣き虫 奈央ちゃん？！俺の事、信じてくれるかな？！』
北岡は、あたしの顔を覗き込みー
少しおどけてそう言ったー。
『信じるっっ！！』
あたしは、子供みたいにムキになって言ったー。
『木下はくるくる表情が変わるのな？！ハハハハハ‥。
面白いな‥！！
木下って最高！！
木下さん♪もしかして天然ボケですかぁ〜？！』
北岡が、あたしの隣でケラケラ笑っているー。
大好きな人のー
大好きな笑顔ー。
あなたの、その少年の様な純粋な笑顔を見ているだけでー
あたしは、とても幸せな気持ちになれたのー。
あなたの、その笑顔の側にずっと居られたらー
あたしは多分ずっと幸せー。
ずっと‥‥。
ずっと‥‥ね‥。
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