席替えをした。高2になってからの二度目の席替え。幸運にも、窓側の一番後ろ。つまり、教室の隅っこ。左側にある窓からは、これから夏を迎える綺麗な澄みきった空が毎日のように見える。授業中、そして休み時間も私は空を暇さえあれば見ていた。席替えをする前は、授業中もまわりの友達と話したり、休み時間になれば友達と教室を出て飲み物を買いに行ったり、友達の席に掛けよって、おしゃべりをしてた自分が、最近はずっと自分の席に座って空を見ていた。空が好きだったのもあるけど、あたしの目の前には大切な人が座っているから、あたしは席から離れたくなかったんだ。
彼はね、席替えをする度に席が近くなる。毎度の席替えでも、彼から遠く離れた席になることはなかった。くじ引きにしては運がさえていた。彼とは出席番号の席も斜めの関係だった。今のクラスの初日から、初めて会ったくせに、仲良く出来た。朝礼があるときもお互い背が高かったから、列の一番後ろで、たわいもない様な、おしゃべりをした。あたしの周りの友達からは、「付き合ってるの??」だとか「よく一緒にいるから付き合ってと思ってた。」って言われるけど、その時は何にも考えてなかった。恋とか好きとか考えずに、ただ楽しかった。でも、そう思ってたのは、あたしだけだったみたい。