捨てられ子

鷹斗  2008-02-02投稿
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僕は、公園にいた。
会社の昼休みでコンビニのおにぎりを食べていた。

「あっ!」
おにぎりを落としてしまった。

その時、1人の少年が近づいて来た。
「あの…おにぎりもらっていいですか?」

「えっ?」
僕は、何を言っているか解らなかった。

少年は指をさした。

「それ、汚いよ」
僕は、少年に言う。

「大丈夫です」
少年はそう言うと、砂の着いたおにぎりを拾い食べた。
僕は少年の予想外の行動に何も言えなかった。

「ありがとうございました」
少年は、お礼を言いその場を立ち去ろうとした。

「ちょっと!」
僕は声をかけた。
何故か少年の事が、気になった。

「ごめんなさい…お金ないです」
少年は頭を下げた。

「違うよ、ジュース飲む?」
僕は、少年にジュースを差し出した。

「ありがとうございます」
少年はジュースを手に取ると、僕の隣に座りジュースを飲み出した。

しばらく沈黙の時間が続いた。

「何、やってるの?」
僕が、尋ねた。
「…」
少年は、無言。
「1人?」(僕)
「うん」(少年)
「お母さんは?」(僕)
「いない」(少年)
「お父さんは?」(僕)
「いない」(少年)
「兄弟は?」(僕)
「妹が、いる」(少年)
「妹は、どこにいるの?」(僕)
「親戚の家」(少年)
僕は冗談と思い、軽く聞き流した。
「これから、どうするの?」(僕)
「あそこの神社で寝る」(少年)
「家はどこ?」(僕)
「ない」(少年)
「…」
僕は、意味が解らなかった。
僕は、携帯の時計を見るとお昼休憩が終わる時刻だった。
「家ないなら今日、家に泊まる?」
冗談で言った。
「うん」
少年が、返事をした。
「そんじゃ、この公園で待ってなよ」
冗談で言った。
「うん」
少年が、返事をした。

僕は、慌てて会社に戻った。
少年は、僕の後ろ姿を見つめていた。

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