「なんで開けるかな。そこらへんKYだよ!」
紗耶が怒っている。
別にどうでも良いケド、なんとか助かった。
さっきの意味不明な同窓会に来た招かれざる客とか
誰が滝を見つけるゲームを提案したのか…とか
あ!
「そーいえば、なんで此処にいるのさ!わけわかんないんですケド!」
「え?…えっと、なんか気付いてないみたいだから言うケド、私って、君の小学校にいた?」
…は?何を言ってるんだ?
「黙るのも当然だよね。私、あの小学校にはいなかったの」
「え!?…俺、誰かと勘違いしてたの?」
「多分」
…というか知ったかぶりまでしてしまった。
もう俺、恥ずかしい。
「…ん?よく考えたら、じゃあ君は誰だっ」
「紗耶…ですケド」
「んあぁっ!違うっ!そうじゃねぇよ!…うーん…」
なんて言えばこの奇天烈なお嬢さんに通じるんだっっ
「ごめん。…何者かって事だよね」
「それだっ!!なんでだ!!」
「恐いよ。落ち着いてよ」
気がついたら立っていた。
一理あるな。落ち着こう。
「…家から2、3日出ちゃダメだよ。」
「…仕事だから無理だな」
「死にたいの?」
「悪いケド…何者かは言えない奴と交渉は出来ない」
「交渉云々じゃないでしょう?あなたが死ぬのよ?選択肢はないハズじゃない!」
「死んだら働かなくて良いじゃん」
気がついたら俺は彼女から目を反らし壁を向いていた。
頬が痛い。だんだんジンジンしてきた。
視界に握りこぶしが入った。
「なんだよ!」…と言おうとしたが、彼女は少し泣いていた。
「馬鹿じゃないのっ!!」
…もう何も言えない。
「ご飯買って来るから待っててよ!!」
怒った口調で言われたので、ただ
「はい。」
…としか言えなかった。