気付けば季節は変わり、あの彼の事は忙しさに追われて、忘れ去られようとしていた…
朝の満員電車に、彼の姿はなく…
帰りは遅くなって、彼に会う事はなかった…
私は中・高と、女子校だった。
だから、男の子と話したり遊んだりするのは、小学校以来なかった。
無論、彼氏なんか出来た事もない…
恋も初めてだった。
今日も帰りが遅くなって、終電で帰ることになった。
電車に揺られながら、夜の風景を窓から眺めていた…
電車が駅に着き、疲れた体をふらつかせながら、電車から降りた。
階段を降りたくらいだった
最近、若い男性集団が屯っている…
私は絡まれないように早足で階段を降りた…
でも、降りたと同時に、話し掛けられてしまった。
『ねぇ?オレ達とどっか行かねぇ?』
私は恐くなって、逃げようとした。
でも集団の男性の中から、女一人が逃げ出せる訳がない…
『なんで逃げんのぉ〜。いいじゃんっ、オレ達と遊ぼうぜ!!』
私は泣き目になりながら、断った。
『うわぁ〜!!つか、近くで見るともっと可愛い!!』
『俺タイプかも〜!!』
私の嫌がる顔を無視に、強引に手を掴んで、連れていこうとした…
その時だった。
私の手をとり、誰かが助けてくれた…