「うわぁ!」
部長の頼まれた仕事で、遅くなってしまった。
時計を見ると、20時を回っていた。
急いで帰り支度をして会社を出る。
「見たいテレビあるんだよな…」
「近道するか」
普通に道沿いを行くと20分かかるが、公園を横切ると10分で着く。
「恐いな…」
公園は、街路灯も少なく暗い為に治安が悪い。
「あれ?」
お昼ご飯を食べた辺りに誰かいる。
僕は、良く目を凝らして見つめた。
「えっ!?」
昼間の少年が居た。
僕は急いで少年の方に向かった。
「お〜い!」
少年に声をかけた。
「待ってたの?」
少年は頷いた。
だんだん暗闇に目が慣れると、少年は身体がガクガク震えわせていた。
11月の半ばで寒い夜だった。
僕は、少年を急いで家に連れて帰った。
「ごめんな」
少年に一言、誤った。
少年はニッコリ笑った。
「お腹空いてない?」
男の1人暮らしで冷蔵庫には何もない。
買いだめしておいた、カップラーメンにお湯を注いだ。
キッチンの方から部屋を覗くと、少年は机の前に正座をしてジッと座っていた。